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わたしが・棄てた・女
2006-04-12 Wed 22:02
わたしが・棄てた・女




この作品を読もうと思ったきっかけは、大好きな「音楽座」の次回作品の原作になっていたからです。
(追悼 遠藤周作没後10年)と銘打たれた作品の名前は、
『泣かないで』
6月から始まりますので、お近くの方はぜひ観にいってください。


舞台は、戦後間もない東京。
貧しい大学生の吉岡努は、「ゼニコがほしい。オナゴがほしい」と毎日を過ごしているどこにでもいる男。ある日、雑誌の文通欄で知り合った森田ミツとデートをする。ミツは流行の歌や映画に胸をときめかせる田舎から出てきた貧しい工員。大学生とのデートに胸をときめかせるミツ。しかし、吉岡は、ただやるせない気持ちと欲望のはけ口が欲しいだけだった。ミツと一夜を共にした吉岡は、 その後下宿を引き払い、姿をくらませる。そんなことを知らないミツは、吉岡と会う日に着ていくことを夢見て、カーディガンとそして吉岡にプレゼントする靴下を買うために残業に励んでいた。
一方、大学を卒業し、小さな会社に就職した吉岡は、社長の姪である三浦マリ子に思いを寄せるようになる。マリ子と親しくなり幸せにひたる吉岡。そんな時、急に駅で置き去りにしたミツの面影がよぎり戸惑う。同じ頃、大学病院で手首のアザを検査してもらったミツは、医師からハンセン病という宣告を受ける。御殿場にある病院。それは世間からうとまれ、死を待つだけのハンセン病患者たちが集められる病院だった。
「さいなら、吉岡さん」
吉岡への思いを断ち切るように、ミツは林に囲まれた復活病院の門をくぐっていった・・・。


前半の方は、(わたしには重すぎる・・・)と思いながら読んでました。昔の自分の姿が描かれているような錯覚を覚えてしまったのです。時代も違い、境遇も違う。すべてが全く違うのに、「森田ミツ」が経験した吉岡との出来事は、形を変え、時代を超えてわたしにも起こっていたのでした。その後の吉岡へのミツの愚直なまでの思いまでも。
本の言葉を借りれば、(誰だって・・・男なら、することだから。俺だけじゃないさ)と言われてしまうのでしょうけど・・・。
正直、未だに男の心はわからないから、吉岡は許せません。ただ、吉岡という男は、「時代」の平均的な存在としておかれて、その存在があってその後のミツの人生が、存在が、意味が浮かび上がってきます。

読んだものとしての注意点を書いておきます。
少なくとも後半は一人でいるときに読んでください。電車の中とかは厳禁です!主人公の森田ミツと吉岡努は美男美女とはかけ離れた存在だし、舞台も汚い街並みと病院だし、ロマンチックさはカケラもありません。
でも、あなたはきっと号泣しているでしょう。思い出しては繰り返し、繰り返し。
ミツのとても及ばぬ崇高な生涯に。そして、生涯ただの一度もミツを愛することの無かった吉岡でさえ「もし、理想の女というものが現代にあるとは誰も信じないが、ぼくは今あの女を聖女だと思っている・・・・・」と言わしめた神の『おさなごのような』純粋無垢な心に・・・。



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